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内容紹介
“N響”ことNHK交響楽団で長年ヴァイオリニストとして活躍してきた著者が教える、知られざるオーケストラの世界。一流の「オケマン」たちの破天荒な生態や、歴史上の音楽家たちの人間くさすぎる一面など、クラシック音楽のイメージが180度変わること間違いなし。
目次
はじめに
第1章 知られざるN響の世界
新人オケマンには、とにかく時間が無い/演奏会中心に決まるオケマンのスケジュール/オーケストラの給料事情/つわもの揃いのオーケストラ/新人はいつも見られている/オーケストラはプロの音楽職人の集まり/オーケストラは仲良し集団ではない/オケマンたちの個人活動/救世主すぎやまこういちさん/成長したい、目立ちたい/副業をセーブして初心に帰る/N響の楽器事情/美術品としてのヴァイオリン/ヴァイオリンの価格が高騰したワケ
第2章 こう聴けば、オーケストラは10倍楽しくなる
オーケストラはナマで聴け/演奏会はお菓子工場のようなもの/ナマだから出合えるハプニング/演奏会を楽しむには予習が肝心/オーケストラの実質トップ、コンサートマスター/戦うコンマス/優秀なコンマスは世界中でひっぱりだこ/コンマスの意思を全体に伝えるフォアシュピーラー/N響史上初!?フォアシュピーラーに二度なった男/フォアシュピーラーを退いた理由/指揮者とオーケストラの微妙な関係/指揮者に必要なカリスマ性とは/絶大な権力をふるう”シェフ”/暗黙の連携で動くチーム/オーケストラは「あっち向いてホイ」/支えてくれるファンがいてこそ/オーケストラは儲からない
第3章 音楽人生の扉が開かれた
ヴァイオリニストになるために必要なこと/プロになるには偶然の重なりも必要/3歳でピアノをはじめ、6歳でヴァイオリンに出会う/わかりはじめると次から次へと弾けるようになる/僕の背中を全力で押し続けた母の思い/井の中の蛙、ヴァイオリニストを夢見る/コンクールで自信を木っ端みじんに砕かれる/オーケストラの人間になりたい
第4章 国内最高峰の芸術学校で学ぶ喜びと憂鬱
挫折と挑戦の藝高生活/高2の夏に訪れた人生の危機/真知亜少年、闇弟子になる/技術伝承に必要不可欠な子弟の絆/厳しいけれど楽しかったレッスン/音高生の日常/セーフティの技術を持て/藝高は藝大の予備校!?/音大は演奏家養成所ではない/音大生のバイト事情/バイトの現場が育ててくれた/再び闇弟子になる/作曲家に寄り添うことの大切さ/プロの洗礼を受けたN響体験/自分の未熟さを思い知る/卒業試験で師匠に恩返し/まさかの首席卒業/藝大オケをバックにソロ演奏を披露/舞い込んだN響オーディション/N響オーディション史上初のハプニング
第5章 オケマンはクラシック音楽を語りたい
最近やたらとバッハを弾きたい/時代とともに複雑化するクラシック音楽/原点回帰して自分の音楽を見つめ直す/オケマンがオーケストラで演奏したい曲/チャイコフスキーは体育会系/しつこさがクセになるブラームス/西洋音楽の総元締め、ベートーヴェン/日本のオーケストラにしっくりくる局/演奏したくない曲もある/都会の作曲家が苦手!?/ひとクセある作曲家たち/美しい音楽は懺悔である
第6章 もっと知りたいオーケストラの世界
オケマンはクラシック音楽のCDが苦手!?/演奏家に求められる特別な能力とは/親の熱意がヴァイオリニストを育てる/神童なんかいない/プロとしてステージで弾くということ/お客様にどう伝えるかを考え、かたちにする/精神論で演奏者は育たない/完成よりも理論が必要/過渡期を迎えた音楽教育/何だいだら
けのジュニア教育/演奏家よ、孤高であれ/心を込めて音に表す
おわりに
著者プロフィール
齋藤真知亜
東京都出身。東京藝術大学附属音楽高校を経て、東京藝大を首席卒業。1986年5月1日N響入団。1999年から毎年開催している自主企画リサイタルのシリーズ「Biologue」「Quattro Piaceri」、バルトーク全曲演奏に挑んだ「ヴィルトゥオーゾ・カルテット」や、民族楽器によるコンサートにも注目が集まっている。また、ジュニア・フィルハーモニック・オーケストラでは、山本直純氏の遺志を受け継ぎ、指揮・指導を行っている。大学や個人レッスンのほか、個人でもアンサンブルなどを率いて活動中。